よく動く人は頭が良い

こんにちは!ストレッチトレーナーの津田です。

あなたは、頭つまり”脳の働きを高める要素”は何だと思いますか?

勉強?読書?
それとも仮説思考やアナロジー思考、クリティカルシンキング、ロジカルシンキングなどの各種テクニック??

もちろん、それらは頭を良くするために間違いなく大切でしょう。

では、「運動」はどうでしょう?

別に頭を鍛えるのに運動は関係ないでしょ、と思いますか?
もしそのようにお考えであれば、もったいない。

運動は頭の、つまり脳の機能向上に非常に有効かつ重要なのです。

前提として、ここで言う「頭が良い」とは”脳の質”が優れていることを指します。
つまり、あらゆる思考において土台となる、根本的な”脳の質”が備わっているかどうか言及しているに過ぎません。

よって、その土台の上に乗る「使い方」、まさに前述したような思考や考え方がなければ、当然本当の意味での「頭が良い」とは言えないと考えます。
ただの宝の持ち腐れとも言えるかもしれません。

今回はそういった思考のテクニックではなく、もっと土台となる私たちの日常生活から仕事に至るまで、全ての活動に必要である”脳の質”を、頭の働きを高めるために重要である「運動」について、詳しく書きたいと思います。

今回参考にしたのは、私も少なからず影響を受けている著書です。

「脳を鍛えるには運動しかない」
ジョンJレイティ・エリックヘイガーマン著

運動に対する見方が前向きに大きく変わる、もしくは運動習慣の価値をより深めることができる良書です。

是非とも手に取って読んでみてください。

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運動の本当の効能

運動が健康に良い、というのは誰でも知っていると思いますが、頭の良さや精神衛生面にも直結します。

ただ、これはここ15年程の近年の研究により明らかになっている部分が多いのです。

なので、25年以上前の私が小学生の時などには認知されていませんでした。

よって、当時は学校教師はもちろん親や社会全体としても、体育を「体の健康」以外の目的としてはそこまで重視していなかった傾向があるように感じます。

また、もう一つ重要な観点があります。

それは、これまで「脳のニューロン(神経)は増えない」と考えられていた点です。
脳のニューロンは他の細胞組織と異なり、分裂して増えることはないのが定説でした。

しかし、つい2007年に、脳のニューロンは増えることが証明されたのです。
加えて、健康であることが脳の働きを高めることも証明されており、運動はメンタルにも大きく関与するのです。

ADHD患者が、運動により薬なしで改善した実例も多く報告されています。

また、本書では「ネーピーヴィルの奇跡」として、運動が学生の脳機能に良い影響を与えた例が書かれています。

ネーパーヴィルとはアメリカにある都市の名前です。
本書から一部を抜粋します。

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アメリカのネーパーヴィル203学区の学生1万9千人を対象に、1時限目の前の0時限目として、体操やランニング、ダンスなどの有酸素運動の授業を受けさせました。

平均心拍数が185を超える高強度の運動による成績への効果を調査したのです。

その結果、ネーパーヴィル203学区の生徒は、全国で最も成績が目覚ましく向上しました。

0時限目の授業に出た生徒の成績は、リーディング力と理解力において17%向上。

また、TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)という世界中の学生に対して行われている国際比較教育調査では、ネーパーヴィルの学生が理科で世界第1位、数学で第6位の成績を収めました。

ちなみに、ネーパーヴィルの優秀な生徒のみを選抜してテストを受験させたわけではなく、全生徒の97%が同テストに参加しています。

アメリカ全生徒の平均値が理科第18位、数学第19位だったことからも、ネーパーヴィルの成績が運動によって大きく向上したと言えるのですね。
——————–

簡単に言うと、”運動する機会を増やした学生の成績が上がった”という実例ですね。

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認知機能と強い関わりを持つ「BDNF」とは?

まずBDNFについて、ざっくりと説明します。

BDNFとは、Brain-derived neurotrophic factorの略称。
脳由来神経栄養因子と呼ばれるたんぱく質の一種で、神経細胞の成長や再生を促す物質です。

簡単に言うと、「脳の活性化に大きな役割を持つ物質」と言えます。

BDNFは一般的に加齢に伴いその量は低下します。

よって、加齢によりボケるのではなく、加齢によりBDNFが減少及び劣化していくからボケるのです。
加齢や老化による脳のパフォーマンス低下は、このBDNFが大きく関与していると見て間違いないでしょう。

では、その重要なBDNFを増やすにはどうすれば良いのか?

そう、運動です。

運動するとBDNFがドバドバ出て、脳が活性化するイメージでしょうか。
認知機能が高く心身ともに健康的かつパワフルなお年寄りって、運動しているイメージがありません?

まさに、そういった方はBDNFの量・質ともに優れているのです。

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有効な運動の種類

運動が体にも脳にも良いのはわかったよ、と。
では、どのような運動をすれば良いのでしょうか?

昨今では「筋トレ」の価値がどんどん高まっており、その重要性を説く方も増えていますよね!
フィットネスに従事する私としては嬉しい限りです。

もちろん、私も格闘技の選手を引退した今でも、筋トレは大好きでありライフワークの一つです。

ただ、筋トレはどちらかと言うと「無酸素運動」に当てはまります。
では、BDNFを増やすのにも「無酸素運動」が最適なのでしょうか?

残念ながら(笑)、BDNFを増やすことに直結するのは「有酸素運動」つまりジョギングやウォーキングなのです。

もちろん、無酸素運動も素晴らしい可能性は期待できるものの、動物実験で行うのは難しいのですね。
よって、有酸素運動に比べるとまだ調査は不十分と言えます。

そもそも「有酸素運動」は人間に適用した運動と考えられています。
先祖は狩りをするなど歩き回っていたので、生物的に考えても納得がいきますよね。

では、どれぐらい「有酸素運動」をやれば良いのか?
回数は?頻度は?

めっちゃ具体的に挙げるとすれば、
“有酸素運動を30〜60分 週4以上”です。

たまにダッシュなども入れて心拍数を少し上げられると、なお効果は高いです。

「いやぁ、週4でランニングはハードル高いよぉ..」
と思ったあなた、ご安心ください。

ここで言う有酸素運動とはいわゆるランニングに限らず、ウォーキングだけでも効果はあることが立証されています。
つまり、生活の中で30分は歩く時間を確保する、これならいけそうじゃないですか?👌

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運動効果を更に促進する工夫

前述の通り、ウォーキングやランニングをするだけでも効果はあります。

では、更にその効果を最大化するにはどうしたら良いのか?
どうすればニューロンを効率的に増やし、かつ定着することができるのか?

方法は、大きく二つあります。

一つ目は、「有酸素+複雑な技能を伴う運動」

有酸素運動が新しい細胞を生み出す一方で、複雑な動きはそのネットワークを強く広くし、それらをうまく使えるようにしてくれるのです。

【「有酸素+複雑な技能を伴う運動」の例】
エアロビ
武術(まさにキックボクシングは最高)
テニスなど、常に動き続ける球技

あるいは、10分ほど有酸素運動でウォーミングアップをした後に、ロッククライミングやバランスの訓練といった酸素消費量が少なく技能を必要とする運動をするのも有効です。

有酸素運動が神経伝達物質を増やし、成長因子を送り込む新しい血管を作り、新しい細胞を生み出す一方で、複雑な動きはネットワークを強く広くして、それらをうまく使えるようにする。
そんなシナジー効果が生まれるのですね。
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ここで少し脱線します。

ちなみに有酸素運動ではないのですが、無酸素運動つまり”筋トレ”といえば、私の大好きな著者の一人であるテストステロンさんの「筋トレが最強のソリューションである」
これは、今回とはまた違った視点から運動(筋トレ)の効能と素晴らしさが書かれている最高の本です。

「あ〜、筋トレめんどくさいなぁ」という時に是非ご一読ください。
筋トレがしたくてしたくてたまらなくなること間違いなしです。

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脱線から戻ります。

運動効果を最大化する方法二つ目は、「誰かと一緒に取り組む」ことです。

どんなに私のように一人が好きだと突っ張って生きているやつでも、やはり人間は根源的に社会的な生き物と言えるようです。(さすがに私もずーっと一人では寂しいですが)

社会的な相互作用がもたらす刺激、つまり「誰かと競う」「誰かと協力する」こういったコミュニケーションを含めることで、ニューロンは特別な発火をし始めるのです。

そのような精神の刺激が運動による効果と結びつくと、脳が成長する可能性は最大化すると考えられています。

実際、あなたも運動や競技、トレーニングを誰かと一緒に取り組むことで、効果が上がった、続けることができた、という経験があるのではないでしょうか?

もちろん、トレーナーと一緒に取り組む、というのも含まれますね!

脳科学的に見ても、トレーナーと一緒に行うパーソナルトレーニングは理にかなった運動と言えるようです。

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まとめ

運動は頭の、つまり脳の機能向上に非常に有効かつ重要である

健康であることが脳の働きを高めることも証明されており、運動はメンタルにも大きく関与する

つまり、幸福感を得るためにも運動は大切

脳の機能向上に有効である「BDNF」の増加に直結するのは「有酸素運動」

無酸素運動も素晴らしい可能性は期待できるものの、有酸素運動に比べるとまだ調査は不十分

生活の中で一日30分は歩く時間を確保することで効果は得られる

効果を高めるには「誰かと一緒に取り組む」ことが有効

「誰かと競う」「誰かと協力する」こういったコミュニケーションを含めることで、ニューロンは特別な発火をし始め、脳が成長する可能性は最大化する

脳科学的に見ても、トレーナーと一緒に行うパーソナルトレーニングは理にかなった運動と言える
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ストレッチトレーナー・津田鉄平 

(https://www.instagram.com/teppeitsuda/)


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