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Moi!ストレッチトレーナーの津田です。
面白い研究を見つけたので、久しぶりにブログを書いちゃいます!
「ストレッチって柔軟性を高めるためのものでしょ?」
「筋トレの前にやると逆に力が出にくくなるって聞いたけど…?」
こうした“昔からのイメージ”が、今、静かに覆されつつあるのです。
ストレッチは、筋トレの準備運動やクールダウンにとどまらず、継続することで筋力までも向上させる可能性がある─そんな興味深い研究結果を発見しました。
この記事では、その内容をわかりやすく、そしてあなたの実生活に活かせるように解説していきます。
2023年発表の大規模メタ分析が導き出した結論
今回紹介するのは、2023年に発表された、世界中の信頼性の高い研究データ(41件のランダム化比較試験)を統合した大規模なメタ分析です。
これは科学的根拠の中でも非常に信頼性の高い分析方法であり、個々の研究よりも説得力のある結果が得られます。
この分析の主な結論は以下の通りです。
- 静的ストレッチを一定期間継続すると、筋力がわずかずつではあるが確実に向上する
- 特に運動初心者・女性・高齢者にとって、その効果は顕著だった
- 柔軟性は当然として、筋出力の面でもポジティブな変化が見られた
この結果は、これまでの通説である「静的ストレッチは筋出力を一時的に落とす」という考えを覆す可能性を持っています。
つまり、「ストレッチは準備運動にすぎない」という考えは、時代遅れになりつつあるのです。
キックボクサー時代の体感と、科学の裏付け
私自身、元キックボクサーとして現役時代から、こうした変化を“感覚的に”感じていました。
試合前のウォームアップや日々のコンディショニングでストレッチを取り入れると、
筋肉の動きが滑らかになり、打撃のスピードやフォームの安定感が明らかに向上する実感があったのです。
一方で、「静的ストレッチはパフォーマンスを下げる」というトレーナー側のセオリーも耳にしてきました。
この体感と矛盾する情報に対し、私は常に懐疑的でした。
今回の研究結果は、まさにその“体感”を科学的に裏付けてくれたものです。
特に、ストレッチが「筋力アップ」につながる可能性まで示されたのは、私自身にとっても新鮮な驚きでした。
高重量トレーニーには要注意な点も
ただし、誤解のないようにお伝えしておくと、
この研究では一般的な運動習慣者、つまり週に数回の運動を行う程度の層を対象にしています。
そのため、ベンチプレスやスクワットで高重量(例:3RM〜5RM)を扱うウエイトトレーニング上級者にとって、
トレーニング前の静的ストレッチが同様の効果を発揮するかは、明言されていません。
実際、筋肉が完全に弛緩した状態で高重量を扱うのは怪我のリスクにも繋がるため、
この層に関しては「動的ストレッチ」や「アクティブなウォームアップ」が推奨される場面も多いです。
つまり、すべての人に無条件で当てはまる話ではないことを理解した上で、
ストレッチをどう活用するかを考えることが重要です。
ストレッチを効果的に取り入れる方法とは?
では、筋力アップや柔軟性向上を目的として、
日常生活にストレッチを取り入れるにはどうすればいいのでしょうか?
以下のようなシンプルな習慣をおすすめします。
◎おすすめのストレッチ習慣
- 週3〜5回(理想は毎日)
- 各部位15〜30秒 × 3セット
- 朝起きた直後、入浴後、運動後など、筋肉が温まっているタイミングがベスト
これを数週間続けるだけでも、身体の変化を感じられるはずです。
さらに、プロのストレッチトレーナーによる「パートナーストレッチ」を取り入れることで、
セルフでは届かない深層筋へのアプローチや、神経系への刺激が加わり、効果が何倍にも広がります。
現に、私のクライアントの中には、週1~2回のパートナーストレッチを続けることで、
運動パフォーマンスだけでなく、睡眠の質や姿勢の改善、疲労感の軽減まで実感されている方が多くいらっしゃいます。
ストレッチは“誰にでもできる”シンプルかつ最強の健康習慣
ストレッチの最大の魅力は、年齢・性別・運動経験を問わず、誰でも今日から実践できることです。
筋トレや有酸素運動のようにハードルが高くない分、続けやすく、
しかも継続すれば柔軟性・筋力・体調管理・姿勢・睡眠など、あらゆる面に好影響を及ぼします。
特に、これから運動習慣を始めたい初心者の方や、体力に自信がないシニアの方には、
ストレッチが最も安全かつ効果的な第一歩になるのではないでしょうか。
終わりに:ストレッチの“価値”をもう一度見直そう
ストレッチは、もはや「ただの準備運動」ではありません。
むしろ、身体を変えるための土台であり、パフォーマンス向上や健康管理の“本丸”とも言えるものです。
ストレッチトレーナーとして活動する私にとっても、今回の研究結果は大きな追い風であり、
今後ますますこの分野に価値が集まってくることを強く感じています。
これを読んでくださったあなたも、ぜひ毎日の生活に“ストレッチ”を取り入れる第一歩を踏み出してみてください。
続けることで、必ず“自分の身体が変わっていく”実感が得られるはずです。
【参考文献】
PubMed: Chronic Effects of Static Stretching on Maximal Strength, Muscle Thickness and Flexibility
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
津田でした。
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