呼吸の質向上ストレッチ(前編)

こんにちは!ストレッチトレーナーの津田です。

以前に「IAP呼吸法」について、ブログを書きました。(https://training-studio-buddy.com/blog/2022020718505/)

これはどちらかと言うと呼吸の方法つまり”テクニック”の話でした。

今回はもう一歩基本に立ち戻り、そもそも「呼吸自体の質」を底上げすることに焦点を当て、その実現に効果的なセルフストレッチをご紹介します。

【呼吸とは】

呼吸は、肺を取り囲む骨と筋肉によって造られた「胸郭」の動きによってなされます。

そして、その呼吸に使われる筋肉は「呼吸筋」と呼ばれ、主にお腹の中にある横隔膜と肋骨の間にある肋間筋を指します。

ただし、本ブログで言う呼吸筋とは横隔膜と肋間筋に加え、「呼吸に関与する筋肉」を全て指すこととします。それだけ呼吸には多くの器官が関わっているのです。

その前提で、これら呼吸筋のセルフストレッチ方法の中から厳選した「11種類」をご紹介します。

前編ではその内の5種類をご紹介します。

⑴斜角筋、胸鎖乳突筋

(やり方)

①鎖骨の内側を指圧。

②両手を腰に当て骨盤を安定させる→鼻から吸いながら胸〜首にかけて後ろに大きく反らす→口から吐きながらゆっくり頭を元の位置に戻す。前後→斜めの方向を行う。

(解説)

斜角筋は首の左右それぞれの前側に付く3つの筋肉で、前から前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋と分かれて存在します。今回はこれらをまとめて「斜角筋」と呼ぶこととします。

前斜角筋と中斜角筋の間には動脈や大きな神経も通っており、首を動かす役割も担っています。そして、呼吸に大きく関与する筋肉の一つでもあります。

斜角筋をケアをすることで筋収縮を防ぎ、呼吸の質改善に加え神経圧迫の緩和や首の不快感除去にも繋がります。

⑵横隔膜ストレッチ

(やり方)

一番下の肋骨に沿って親指以外の指先を入れ込み、吸いながら体を持ち上げ、吐きながら体を前へ倒す。

その際、指先で肋骨の裏側(体内側)に触れるように指を入れ込み、そこから肋骨を持ち上げるイメージで更に指を入れ込む。

(解説)

肋骨の下部にドーム状で存在する横隔膜。

この横隔膜の上下動により、胸郭内の肺が膨らむ⇆しぼむを実現し呼吸がなされています。

横隔膜をストレッチすることで、胸郭の動きが活性化します。

⑶僧帽筋上部、頭板状筋ストレッチ

(やり方)

両手の親指を後頭骨へ当て、そのまま天井を見るように頭を後ろに倒しながら点で指圧。まずは僧帽筋の起始部に対し十分に圧をかけ筋肉全体を緩める。

次に、右手の甲を仙骨(背中側の腰)に当て、頭を左斜め前へ倒して頭板状筋をストレッチ。反対も同様に行う。

(解説)

スマホの普及に伴い、頭部が過度に前方へ位置するいわゆるストレートネックの方が多く見られます。

放置すると、首後ろの筋肉群の負担が蓄積し、慢性的な肩コリや頭痛をはじめ自律神経の乱れに繋がります。

適宜ケアを行い長時間の筋緊張を防止しましょう。

⑷僧帽筋中部~下部ストレッチ

(やり方)

右手で右膝を掴み、右膝を前方へ出す力を利用し、右僧帽筋をストレッチ。写真のように両手で片膝を掴むやり方でもOK。

背中を丸め、肩甲骨を背骨から引き離すイメージで行う。胸の後ろの背中側全体が伸びていることを感じながらキープ。

(解説)

デスクワークなどで腕を前に出す姿勢時間が長い方にオススメ。そう言った方は僧帽筋中部〜下部が常に引っ張られた「伸長位」による筋緊張が出ている可能性が高い。

ストレッチで更に伸ばすことで、筋緊張を緩め肩甲骨同士を寄せた正しい姿勢にリセットしやすくなります。

⑸脊柱起立筋ストレッチ

(やり方)

イスに座った体勢から背中全体を丸め、太ももに胸を付ける。両手は膝裏で繋ぎ、おへそを見るように顎は引く。首から腰にかけて背面部全体が伸びている感覚でキープ。

背中が丸まった状態から「下半身は右側へ、上半身は左側へ」ゆっくりと捻ることで、更に体幹全体がストレッチされます。(反対も同様)

(解説)

脊柱起立筋は首から腰にかけて体幹全体を縦断する大きな筋肉群です。立ち、座り、共に綺麗な姿勢を維持するのに重要な筋肉であり、ストレッチすることで当該筋肉にスイッチが入り、身体に負担の少ない正しい姿勢を作りやすくなります。

【まとめ】

日頃から呼吸筋をケアする習慣をつけていただき、呼吸の質を改善することで免疫力向上、精神安定、筋緊張の改善から効率的な疲労回復に繋げていただけると幸いです。

次回は「後編」で残り6種類の呼吸筋のセルフストレッチ方法をご紹介します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ストレッチトレーナー 津田鉄平

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